2014年2月12日水曜日

2014春消える列車・消える景色Part.3~新性能電車のパイオニア・秩父鉄道1000系~

こんにちは、専修大学鉄道研究会です。
「2014春消える列車・消える景色」第3回目の今回は、3月をもって引退する元国鉄101系の秩父鉄道1000系をご紹介します。

国鉄時代の塗装に戻されて活躍していた1000系。(2013年8月4日 熊谷駅)

~新時代の電車・101系通勤型電車~
第2次世界大戦後の大都市圏の通勤・通学輸送を支えたのは、いわゆる「旧型国電」でした。車内は木製、吊り掛け駆動方式という旧来の動力システムを使用し、基本的には茶色(ぶどう色2号)の塗装をまとっていました。
しかし激しさを増し、殺人的ラッシュとまで評された通勤・通学輸送を旧型国電が支えるのは次第に困難になったほか、東海道本線など主要幹線の電化が進み、機関車牽引の列車主流の時代から電車主流の時代になったため、それにふさわしい新しい運転システムの開発が求められていました。

第2次世界大戦下の輸送力増強のために1944(昭和19)年に登場した旧型国電63系。
後に72系に改造され、1980年代まで日本中の通勤・通学輸送を支えた。
写真は名古屋のリニア・鉄道館に保存されている63系。(2013年12月27日)
 
101系は1957(昭和32)年に、新世代の動力システムであるカルダン駆動方式を採用するなど、旧型国電とは全く異なる運転システムを持つ「新性能電車」として登場しました。101系のメカニズムはその後登場した国鉄の電車に引き続き採用され、現在でも多くの車両でそのメカニズムが生かされています。
当初は「モハ90系」という形式名でしたが、1959(昭和34)年に「101系」に改められました。
101系は中央線快速で活躍を始め、山手線や中央・総武線各駅停車などにも投入され、現在の通勤車両のように各路線ごとに異なる塗装を纏いました。
その後、101系をベースとして、より経済的な103系通勤型電車が開発されたことにより101系の増備は終了しましたが、1985(昭和60)年まで中央線快速にて活躍し、南武線・武蔵野線などでも使用されました。
JR線上では2003(平成15)年まで、南武支線(尻手~浜川崎間)にてワンマン化改造を施された2両編成が活躍していました。

~101系第2の人生・秩父鉄道1000系~
埼玉県の羽生~三峰口間を結ぶ秩父鉄道は1986(昭和61)年から101系を譲り受け、1000系として使用を開始しました。当初は黄色に茶色の帯を巻いた塗装でしたが、その後白色ベースに青色と赤色の帯を巻いた塗装になりました。
非冷房で導入された1000系も1994(平成6)年から冷房装置が設置され、パンタグラフ増設・ワンマン化改造なども施されました。
2007(平成19)年以降、国鉄101系時代の塗装にリバイバルされた編成が登場しファンや利用客を楽しませました。

 右写真:中央線快速時代のオレンジ色に戻された1000系。(2013年8月4日 熊谷駅)
左写真:京浜東北線時代のスカイブルー色に戻された1000系。 (2013年8月4日 桜沢~寄居間)
 
さらに、秩父鉄道導入時の塗装や、1000系以前の秩父鉄道の車両の塗装になった編成も登場し、バラエティ豊かなラインナップになりました。
 
秩父鉄道導入時の塗装になり、「蝋梅(ろうばい)」をアピールしたヘッドマークを掲げる。
地方私鉄では数少なくなった貨物列車(右)と並ぶ1000系(左)。
(2012年2月4日 長瀞駅)

かつての秩父鉄道の標準カラーを纏うのはこれが初めてとなった。(2012年2月4日 三峰口駅)
 
~101系の終焉~
しかし、2008(平成20)年より東急電鉄から譲渡された7000系(元東急8500系)、7500系・7800系(元東急8090系)の導入により順次置き換えが始まりました。
リバイバル塗装も次々引退し、2014年2月現在現役で走るリバイバル塗装はオレンジ色1編成のみになりました。また、現行の標準塗装の編成も1編成のみになり、計2編成が最後の活躍を続けています。
秩父鉄道では、2月1日より1000系引退記念乗車券・特別デザインのフリーきっぷの発売や土日限定で運転時刻の固定などが行われています。
また、2月22日・23日には標準塗装編成の引退に合わせた貸切運転&撮影ツアーが計画されており、現存する2編成を連結した6両編成での運転が予定されています。
 
後継車両となる7500系(左)・7800系(中央)と並ぶ標準塗装の1000系(右)。(2013年8月4日 熊谷駅)
 
 
登場から57年。登場から終焉まで黙々と通勤・通学輸送に徹してきた101系通勤型電車。
最後の雄姿を見に皆様も秩父路に足を運んでみてはいかがでしょうか?
 
(ブログ作成に当たり、部員に写真を提供していただきました。この場をお借りして御礼申し上げます。)


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