「2014春消える列車・消える景色」今回は2014年3月15日(土)のダイヤ改正で定期運転を終了する寝台特急「あけぼの」をご紹介します。
終着駅・上野を目指して朝の高崎線を走る「あけぼの」。(2013年4月28日 宮原駅)
~上野と東北地方を結ぶ唯一の寝台特急「あけぼの」~
寝台特急「あけぼの」は、上野駅と青森駅を高崎線・上越線・信越本線・羽越本線・奥羽本線と、日本海側を経由しながら約12時間半かけて結ぶ寝台特急です。
ブルートレインで一般的に使われている24系客車をEF64形1000番台(上野~長岡)とEF81形(長岡~青森)の2種類の電気機関車が牽引しています。
寝台はA寝台「シングルデラックス」(1人用個室)・B寝台「ソロ」(1人用個室)と一般的なB寝台のほか、寝具・浴衣等は一切ないものの、寝台料金不要で横になれる「ゴロンとシート」・「レディースゴロンとシート」があり、バラエティに富んでいます。
かつて上野と東北地方を結ぶ寝台特急は、「はくつる」(上野~青森・東北本線経由)・「ゆうづる」(上野~青森・常磐線経由)など数多くありましたが、新幹線開業・乗客の減少などにより、2002年のダイヤ改正以降「あけぼの」が唯一の存在になっています。
左写真:上野~長岡間では青い電気機関車「EF64形1000番台」が牽引する。(2012年3月20日 上野駅)
右写真:長岡~青森間では赤い電気機関車「EF81形」が牽引する。(2012年12月25日 青森駅)
左写真:24系客車の「あけぼの」ヘッドマーク。機関車のものとは少々デザインが異なる。(2012年3月20日 「あけぼの」車内)
右写真:様々なブルートレインで約40年間使用されてきた24系客車。(2013年4月28日 上野駅)
~「あけぼの」の走行ルート~
「あけぼの」の運転開始は1970(昭和45)年と、九州方面や他の東北方面への寝台特急より遅いスタートでしたが、走行ルートは運転開始時と現在とでは大きく異なっています。
運転開始から1990(平成2)年までは東北本線・奥羽本線経由であり、山形駅を経由していました。1990年からは山形新幹線の開業工事により奥羽本線福島~山形間の運転ができなくなったため、東北本線を宮城県の小牛田駅まで走行し、陸羽東線(小牛田~新庄)を経由して奥羽本線に至るルートになりました。1997(平成9)年の秋田新幹線以降は現在のルートで運転しています。
左写真:朝焼けの空のもと、ターミナル・上野へひた走る「あけぼの」。(2013年11月13日 宮原~大宮間)
右写真:鉄道博物館に展示されているED75形電気機関車。1993(平成5)年まで実際に「あけぼの」を牽引していた。(2013年12月24日)
~21世紀の「あけぼの」~
九州方面や、上野発の他の寝台特急が次々廃止されていく中、新幹線や飛行機といった他の交通機関の便が悪い東北地方の日本海側を走行する「あけぼの」の乗車率は比較的高く、根強い人気が存在しました。夜行バス対策として設定された「ゴロンとシート」は切符の入手が難しいほど人気となり、後に「レディースゴロンとシート」も設定されました。
指定席料金で横になれる「ゴロンとシート」。青森発のお得なきっぷ「ゴロンとシート東京往復きっぷ」でも乗車できる。
(2012年3月20日 「あけぼの」車内)
「あけぼの」は1997年以降全区間でEF81形電気機関車が牽引していましたが、2009(平成21)年のダイヤ改正以降、上野~長岡間は急勾配区間用の電気機関車EF64形が牽引に携わるようになりました。特に2010(平成22)年までの1年間はEF64形0番台も牽引したため注目を浴びました。
約30年ぶりに寝台特急を牽引したEF64形0番台。写真は茶色い塗装の37号機である。(2010年3月13日 赤羽駅)
「あけぼの」は気象条件の厳しい群馬県・新潟県の「上越国境」や日本海側を走行することから、冬期間は雪をつけて上野に到着することもありました。また、運休になることや途中駅での運転打ち切り、上越新幹線への振替輸送が度々発生していました。
足回りに雪を抱えて都内を走行する「あけぼの」。冬は大雪との戦いの連続であった。(2013年12月28日 尾久~上野間)
~「あけぼの」定期運転終了へ~
2010年12月の東北新幹線八戸~新青森間延伸開業の際にも「あけぼの」には大きな変化はありませんでした。しかし、2013年には一部メディアによって2014年での廃止が報道され、同年12月20日にはJR東日本から、乗客の減少・使用車両の老朽化から2014年3月14日の運転を最後に定期運転を終了し、臨時列車化するとの公式発表がありました。
新幹線が直接通じていない秋田県の一部自治体からは「あけぼの」存続を願う要望書をJR東日本・国土交通省へ手渡しするなどの動きがあり、利用客からも「あけぼの」廃止を惜しむ声が聞こえています。
21世紀に入ってから次々消えていく寝台特急。豪華寝台特急として人気のある「北斗星」・「カシオペア」(共に上野~札幌)・「トワイライトエクスプレス」(大阪~札幌)も北海道新幹線開業後の存続が注目されています。
「走るホテル」として颯爽と登場してから半世紀以上。「ブルートレイン」が消える日も近づいているのでしょうか…?
「あけぼの」の雄姿が見られるのもあと僅か…(2013年3月19日 赤羽~尾久間)
(ブログ作成に当たり、部員に写真を提供していただきました。この場をお借りして御礼申し上げます。)
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